Tuesday, May 18, 2010
谷のこどもたち -School in Alcahuaz-
Elqui谷には、小さな集落がいくつもある。ぼくはこの日、ピスコエルキから再奥の村、ALCAHUAZを目指し朝早く道に出てヒッチハイクをした。そこまでゆくバスがないのでこの手段しかない。といってもここいら辺は究極の田舎で、ほとんど泥棒さんもいなさそうだ。宿主のガブリエラもよくヒッチをしてヤギのチーズを隣村まで買いにいくそうだ。
朝の7時過ぎに白い息を吐きながら道で車を待っていると、1台の軽トラが止まってくれた。お礼をいい、自己紹介をすると、なんと運転手のおじちゃんはピスコエルキのドリス校長先生の旦那さんだった。「ああ、きみが日本から来ているって人か」、と言っていた。校長先生の旦那さんはぼくが行こうとしている一番奥の谷、アルカワズにブドウ畑を持っていて、これから収穫に行くそうなので、目的地まで乗せていってもらえることになった。
小さな集落が途中いくつもある。
ブドウ畑が日の当たる傾斜に広がっている。
アルカワズの村。人口120人。
校長先生の旦那さん曰く、もうここまで来ると住んでいる人はみんなお隣さん同然で、あそこの角のミゲルさんも向こうの丘のテレサさんもみんな知り合いだそうだ。お礼をいい、握手を交わして村の中心らしき場所で降ろしてもらった。土の道をゆっくり歩いていると、動物たちが種問わず戯れている。ここは人だけでなく犬も猫も馬もみな知り合いのようだ。
5分ほど歩くと、坂の上から子供たちの声が聞こえてきた。この谷の学校に違いない。
アルカワズの学校。
山に囲まれた大自然の中の学校だ。
門のところで大声で、すいませ-ん、というと、給食のおばさんが出てきてくれて、校長先生を紹介してくれた。
Ceriche 校長先生は校長先生でありながら、この学校全学年、全教科の先生でもある。先生歴なんと40年。
ここの学校はスペイン語でUnidocenteといって複式学級の学校。先生とアシスタントの先生が一人ずつ。小学校1年生〜6年生が一つの教室で一緒に学んでいる。全生徒数23人。
ちょうど学校が8時半にはじまり、これから朝食の時間。チリの公立学校では朝食と昼食を無償で提供している。
食事のあとは、必ず歯磨き。物資が少ない僻地ゆえ、校長先生が歯磨き粉をみんなに分けている。
歯磨きのあとのクチュクチュもみんなで一緒に。
1時間目はみんなとぼくでおしゃべりをしたあと、みんなが歓迎の歌を歌ってくれた。歌はチリの有名なバンド、Los JaivasのMira Niñita。とってもいい歌だ。
休み時間。アルカワズの学校は学年関係なくみんな兄弟のように仲良し。
ケンケンパは世界共通。
校庭のはじのほうで冒険ごっこをしていた。
男の子たちは上級生と下級生一緒に闘牛ごっこをして遊んでいた。
日本でいうとチャンバラごっこといったところか。昔ながらの遊びがまだここでは日常だ。
スペイン語の授業。チリの国歌を学んでいた。
この授業は1年生以外学の年全学年が学んでいた。
1年生の子はアシスタントの先生と単語の綴りの勉強。
小学校3年生の子。
一通り意味を学んだあとは、みんなで国家斉唱。そして、 なぜかその後ぼくが君が代を斉唱。
残りの時間はわからなかった単語を辞書で調べるために使われた。
お昼ご飯の時間。6年生が下級生に1つずつ配ってゆく。
この日はパンと野菜パスタとプリン。みんな育ち盛りだからたくさん食べないと。
ぼくはもう育ち盛りではないけど、なぜかまたご馳走になってしまった。
お昼休みはみんなで校庭に出てゲームをした。
前回鬼だった人が、「赤い洋服かズボンを着ている人」と言ったらその人が鬼になってみんなを追いかけるゲーム。
手を繋いで輪になっているから、どこから鬼がくるかわからない。
午後は算数の授業。小学校2年生の子たちは、ブロックを使って考え方を学んでいる。
最後の時間は日本がどこにあるか地球儀をみてみた。地球って大きいなあ、日本て遠いなあ、チリって長細いなあといっていた。
学校が終わって、先生たちにお礼をいい、子供たちとアルカワズの村を帰りがてらに歩いてみた。
空をみあげると、虹雲がみえた。めずらしい雲で、これを見るといい事があると聞いたことがある。
みんな大きな自然の中に暮らしているゆえ、学校からの帰り道も雄大だ。真っすぐ家に帰るの?と聞くと、「ちょっと山で遊んでから帰る」、といっていた。
子供たちとバイバイをすると、みんな山のほうへと走って帰っていった。ぼくは唯一の道をゆっくり来た方向へと戻ることに。車が来たら手を振って乗せてもらおう。
どれほど歩いただろうか。ペットボトルを飲み干してたので、沢の水を汲みにいくと、ブドウ畑の人が声をかけてくれた。
「なんだってこんな地の果てにいるんだい? せっかくだからこれもっていきな!」とブドウが詰まった箱を勧めてくれたが、こんなには持っていけないので少しだけいただいていくことに。
なんて甘いブドウだろう。口に放り込みながら、山間をひたすら歩く。
カラーンコローンという鐘の音とともに、車のエンジンの音が遠方から聞こえてくる。車だ!と思った。両手を大きく振ると、1台のガスを積んだトラックが止まってくれた。ELQUI谷の集落をガスを売ってまわっているガス屋さん夫婦のフェルナンドとヨランダさんに拾ってもらった。彼らもPisco Elquiに住んでいるのでちょうどよかった。
明日ぼくが、隣の谷のCOCHUHUAZという村へ行くというと、夜そこを通るから帰りは乗せていってあげるといってくれた。
出会いに感謝。
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