Thursday, July 15, 2010
La mina de Potosi 3
おばあさんと別れ、さらに丘を登ること15分、炭鉱で働く人々の家を通り過ぎる。4300mの標高で頭がボウっとして、なかなか足が前に進まない。
炭鉱周辺の生活者から出るゴミの山を横切り、入口へと向かう。
居住区。ここでもアンダーザテーブルを70円ほど渡す。
炭鉱夫の子供たち。外で遊んでいた。
鉱山の中に入り、1時間ほど歩く。先日の鉱山よりも少し規模の小さい鉱山だ。
マリナさんがいつもここには何人かの子供が働いているという。午前中に学校がある子は午後の放課後に、午後授業の子は朝早くから数時間働きに来る。足をすすめると、奥の方で人の気配を感じる。すると、一人の中学生くらいの子がヘッドライトを岩に向けて、金槌をトンカントンカンと叩いていた。マリナさんが「ミルトン?もしかして、あなた?」というと、「うん!」という元気な声が返ってきた。「ジュン。彼わたしの息子の同級生のミルトン。13歳よ。ここで働いて確かもう2年だったわね。」
握手をすると、まだいとけなさが残る顔でニッコリと笑った。
日本でいう中学生のミルトン君(こっちでは第二学校という)。この日は土曜日で学校がないので、朝の8時から仕事をしている。今日は何時くらいまで働くの?と聞くと、多分夕方の6時か7時くらいと答えた。
「壁に黒い色の線が入っているところを崩していくと鉱物がとれるんだ。」 手を動かしながら、炭鉱の仕事について教えてくれた。
大学生のお兄さん、アレクスくん。
ミルトン君が途中道具を取りに行ってくるといって、炭鉱の奥のほうへ行こうとすると、お兄さんに「一人で行くな!」と強く叱られた。炭鉱の奥のほうでは毒ガスが出ているので、必ず道に詳しい人と行動しなければならない。
他の炭鉱夫と働くミルトン君。
ミルトン君のお父さんは農業をしていて、家計に少しでもお金を入れるために働いている。大学へ行く為のお金も貯めていきたいと話してくれた。
「将来はぼくのお兄ちゃんみたいに大学で勉強したいんだ。ぼくだって普通のみんなみたいにたくさん遊んびたい・・・・でもぼくが働かないと、お父 さんもお母さんもお兄ちゃんお姉ちゃんも困っちゃうんだ。食べ物はお父さんが畑をしてるからなんとかなるけど、お金がないと鉛筆も、ノートも、本もサッ カーボールも買えない。」
ぼくはこれまで多くの働く子供たちに出会ってきた。ゴミ拾い、給仕、靴磨き、タバコ売り、麻薬売り、車の窓拭き、キャラメル売り、ジャグラー、花売り、・・・。しかしここまでの重労働はぼくの記憶にない。炭鉱では子供でも大人と同じ額が支払われるとはいえ、これほどまでに危険の伴う労働をしなければならない現実にぼくは打ちのめされていた。自分がもしこの年齢でここで働いたとしたら、重度の労働と熱気と空気の薄さで1時間ももたないと思う。
この日の夜は、彼やマリナさんと別れて宿に戻ってからも、ずっと彼のことを考えていた。
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