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メキシコからアメリカへ向かう。まずは、ダラス(テキサス)でトランジット。メキシコシティーからはとても近く、なんと約2時間。
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ダラス空港。確かダラスにはギャラリアという世界一大きいモールがあった。
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広いアメリカの空の上。20年ぶりの故郷と、恩師との再会に胸がドキドキする。ぼくはDr.&Mrs.Langという老夫婦とデトロイトの飛行場で待ち合わせをしている。Mrs.Langはぼくの家庭教師の先生で、恩師である。
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デトロイトの空。Motownと呼ばれる車産業の町だ。しかしGMやフォードが工場を閉鎖して今は人口が減り、景気も悪いという市況は新聞でよく目にする。自分の故郷が今どうなっているのか、この目で確かめてきたい。
飛行場を降りて、荷物を拾う。出口のあたりを見渡すと、杖を持った小さなおばあさんがベンチに座っている。もしやと思い「Mrs Lang!?」と声をかけると、「Jun!」と懐かしい声がかえってきた。そして、ヨッコラセと立ちあがり、あたたかいハッグをくれた。Mrs Langの体って、こんなに小さかったんだと思った。それは彼女が歳をとって小さくなったのか、それとも、ただ単にぼくが彼女を知っていたのが子供のころだったからなのか。彼女の丸くなった背中を触り、過ぎ去った時の年輪を感じた。そして、顔の横で、「Oh my little boy...」と何度も繰り返し、久しぶりの再開に目頭が熱くなってしまった。
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Dr. Elmer LangとMrs Doris Lang。
Mrs Langは、ぼくが中学のはじめから高校1年の終わりまで家庭教師をしてくれてた。
デトロイトでは彼らの家で、一週間お世話になる。
これまでのお互いの人生について、たくさん話をして埋め合せたい。
つづく