Tuesday, May 12, 2009

キューバの日記①

~ハバナ~  メキシコを朝の8時に出てキューバの首都ハバナの南西20kmにあるJose Martí空港に着いたのは正午過ぎ。イミグレでは特に何も訊かれず、写真一枚をとられて、いいぞと目で合図された。荷物はすぐ出てきて、中身もとくにチェックされなかった。見慣れたこの緑のザックもかなり年季が入ってきている。 外に出て、タクシーの客引きが出てくるかとかまえたが誰も来ないので少し淋しい。"Cadeca"(両替所)で$60だけかえてCentroまでの行き方をきいた。ここはバスも電車もなく、タクシーでしか中心へは行けないようだ。タクシーは外国人一律$25。確かガイドブックにもそう書いてあったのでしょうがなくそれに従いハバナの中心地へと向かう。大柄で能面づらの運転手が真面目に運転してくれ、30分で目的地に到着(タクシーでは一言も会話はなし)。あらかじめネットで調べておいたセントロの安宿をみつけてチェックインを済ませる。ハバナは外国人にはとても高い。外国人観光客はHotelかCasa Particular(民宿)といった政府が指定した宿に泊まらなければならない。Casaの相場は$10~$25とわりと幅があるがハバナは平均$20のようだ。  ハバナの町並みは中世ヨーロッパ調の建物がたちならんでいるが、老朽化が進みだいぶくたびれていた。ボロボロな町並みなので治安はあまりよさそうではないが、よくみるとハバナには警察が多い。四角い公園があったら、対角線上の二つの角に必ずといっていいほど警察官がひとりずつ配置されている。警察が多いのは悪い事ではないが、多すぎるのもなんとなく不気味である。  寝場所を確保して次にやっておくべきことは、多すぎず少なすぎないお金をいいレートで換金することである。その点ではキューバでは少し苦労した。いわずもがなキューバは社会主義の国。ダブルエコノミーと呼ばれ、通貨が2種類併用されている。一つはMoneda Nacional(Peso)といってキューバ人が使うお金。そしてもう一つがPeso Convertible(CUC)という外国人観光客専用のお金である。まず銀行へ行き、ドルをかえようとするとレートが空港と一緒である。??と思いガイドブックをようく読んでみると、ドルはアメリカとの関係が悪い為、手数料10%+いじわる代10%で20%をキューバ全土一律でとられるようだ。($1=0.8CUC)ガイドブックの後ろの方に、ポンドかユーロをもってくればいいと書いてあった・・・ああ、もう少ししっかり勉強しておくべきだった・・・。気をとりなおし、CUCをある程度持ったら、次はPeso買いだ。これはCadecaという両替所でできるようだが、宿のおばちゃんが外国人がPesoを買うのはあまりよく思われないよと教えてくれたので、それは謙虚にひそかにおこなうことにした。2時間ほど歩きようやくCadecaを3件見つけた。だがカウンターにはサングラスをかけた恐そうなおじさんがいつも横に立っていてなんだかやりづらい。もう1時間ほど歩いてようやくルーズそうな換金所をみつけそこで両替できた。何も言われず普通にしてくれたのでもしかしたらあまり厳しくないのかもしれない。ぼくはなんとなくこのキューバ人用のペソがキューバを安く旅する鍵になるのではないかと思ったりした。  現金確保の次のおたのしみは食べ物&物価チェックである。(1CUC=25Peso)食べ物はレストランやスーパーの品物は全てCUCで売られている。そしてそれが割と高い。例えば牛乳は1リットル2.5CUC。チーズが細切りので3CUC。 ツナの缶詰が1つ2CUC。食品だけでなく電池やテレビなど外国製のものはかなり高かった。しかし国産のものや、キューバ人が道や市場で売買するものはとても安い。コップのジュースとアイスクリームは1Peso(4円)。道でよく売られているピザ・ハムサンド・豚肉サンドは5Peso(20円)。箱に入った焼き飯は10Peso(40円)である。中南米どこを旅してもこの安さはみあたらないだろう。ためしに道のジュースとアイスクリームを買ってみた。これが甘いのなんの。サトウキビ大国だからだろうか。甘さという言葉の意味をめいいっぱい表現した甘さである。ブラジルやメキシコも飛びあがるほどの甘さだったがその上をさらにゆく。東京の下町に住むうちのばあちゃんにこのアイスを食べさせた暁には、3日は眠れなくなり、ぐったりのびてしまうに違いない。それほどまでに絶望的な甘さである。  2日目、3日目も町を歩いた。キューバの太陽は強く、じりじりとやける暑さだった。ヨチヨチ歩いては、疲れたら木陰に入り水を飲んだ。ハバナを歩いていて気がついたのはあまり人々が話しかけてこないということだ。一度日本の野球について教えてくれとおじちゃんに話しかけられたがそれっきりだ。(あとで知ったが観光業以外のキューバ人は外国人と長く話していると警官に注意されるらしい)浮浪者とは何度か話した。多くは政治に詳しく、海外の情報にもそつがない。みなどこかまとまっていて、教育を受けた人間のにおいがした。  町中では「革命50周年記念」というポスターがあらゆるところに貼られていた。カストロの絵やゲバラの写真、アメリカの政権批判のプロパガンダが目についた。 つづく。

No comments: