とてもいい本だと新聞の批評でみかけたので、図書館で予約して借りた。
「留守番電話が普及した当初、年配者の中に『どうもあの、留守番メッセージってのを入れるのが苦手でね』とおっしゃる方が、かなりいらっしゃいました。なるほど私とて、最初の頃は、ピーという発信音のあとに、『さあ、喋りなさい。ほら、話しなさい』と言われても、無言の機械に向かって一人でしゃべり続けることが苦痛に思われたものです。どうしてだろう。
考えたのですが、あれはどうも、合いの手が入らないからではないでしょうか。もし留守番電話に『合いの手入り電話』というものが開発されたら、ずいぶんメッセージが残しやすくなると思います。
『あー、もしもし』
『ハイハイ』
『アガワですが、実は明日のゴルフのことで』
『ほおほお』
『ちょっと原稿の仕事が終わらなくて』
『あらあら』
『大変残念なのですが、欠席させていただいて・・・』
『まあまあ』
『すいません直前になってこんなこと言い出して』
『いやいや』
こんな機能のついた留守番電話ができたら、なんか話しやすいような・・・」(頁149-151)
なるほど、相づちが人間の会話にいかに大切かが伝わってくる。
この本、人の話を聞くためのポイント・技術が他にも多く書かれている。
お勧めの書だ。
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